レンタカーを活用しよう

ハワイ旅行はほとんどの場合、3泊5日とか4泊6日といった期間で計画されることが多いかと思います。またそう気軽に出かけられる旅先でもありませんので、なんとか無駄なく効率的に過ごしたいと考えるのも当然のことです。
そこでお勧めしたいのがレンタカー。路線バスやツアーバスのように待ち時間がたびたび発生したり、集合時間に都合を合わせたりということもありません。目的地までまっすぐ行けますし、途中で気が変わって寄り道なんてことも思いのままです。また外国で自動車を運転してみるということそのものも、心躍るものがあるのではないでしょうか。

しかし国が違い法律や習慣が違う場所での運転ということで、様々なトラブルや被害に巻き込まれている日本人観光客が後を絶たないことも確かです。ここからは、ぜひとも活用していただきたいレンタカーについて、しっかりと身に着けていただきたい事柄を、順を追ってお話ししていきたいと思います。


出発前の準備

あたりまえの話ですが、日本で有効な普通自動車免許はお持ちですよね。もしも「ハワイに行ってから免許を取ればいいや」なんて考えていらっしゃるとすれば、まったく別のお話になってしまいます(これについては別項でご紹介します)。
まず、 ハワイ出発の2~3か月前からチェックしておくことは以下の4つです。

  1. 日本の免許証とその有効期間
  2. 国際免許(国外運転免許証)とその有効期間
  3. クレジットカード
  4. 運転する人の年齢

一般に国際免許と呼ばれているものは、道路交通法では「国外運転免許証」と呼ばれます。国際免許といった場合は同法上、日本以外の国で発行されたものを指すことになっています。


国際免許(国外運転免許証)

よく「ハワイは日本の運転免許証だけでOK」という話を聞きます。しかし、このフレーズは半分正解、半分誤りといっていいでしょう。正確に言うなら「ハワイでは日本の運転免許証だけで車を貸してくれるレンタカー会社もある。ただし事故や交通違反の際などに困ったことになる可能性が非常に高い」というべきでしょう。
では、日本であらかじめ取得しておいた国際免許だけあればよいかと言いますとこれは免許証不携帯であり、場合によっては無免許運転扱いされてしまう可能性すら考えられ、数日間の滞在なら旅行を楽しむどころではなくなってしまいます。

そもそも国際免許とは、日本の都道府県公安委員会が発行する単なる翻訳文書でしかなく、これ自体が免許証なのではありません。免許証はあくまでも日本で通用している運転免許証です。
したがって先の例のように、日本の運転免許証だけでレンタカーを貸してもらい、一般公道を運転したからといって、ただちに交通違反ということにはなりません。
ただし、ハワイの警察官が日本の免許証を正しく理解し、これを運転免許証と認めてくれるかどうかはまったく別問題である、ということなのです。
「ハワイは日本の運転免許証だけでOK」というのは、あくまでも「日本の運転免許証だけで車を貸してくれる業者も存在する」ということでしかなく、なんらかの事情で(その国や州の)警察官が対応するときの事情は考慮されていないのです。

さて、申請手続きについては各都道府県警のウェブサイトで確認していただくのが最も正確ですが、国際免許がどんなものかをご覧ください。

写真は、ジュネーブ条約附属書第10の様式の国外運転免許証(関連法規:道路交通法第107条の七)を開いたところです。
台紙の中に各国語の文書で書かれた白いページがついており、記載人が運転できる車種区分をスタンプで表示しています。
筆者の場合、普通自動車免許のほかに大型自動車免許も所持しているため、「運転者席のほかに8人分をこえる座席を有する自動車(D)」も運転できることを、公安委員会のスタンプで示しています。
(参考:道路交通に関する条約 -PDF/外務省)


レンタカーを借りるにあたって

ハワイでレンタカーを借りる場合、クレジットカードは必須と言っていいでしょう。
実際にはクレジットカードがなくても、多額の保証金をデポジットすることで車を貸してくれる場合もあるようですが、現実的ではありません。
また、クレジットカードが有効に使用できるということは支払い能力の証明でもあり、契約に関する信頼の証明にもつながります。車の在庫があるのに「予約でいっぱいだ」と断られたり、ポンコツ車しか貸してもらえなかったり、信頼性の高くないレンタカー業者しか相手にしてくれない、などといったことも考えられます。
レンタカー会社のウェブサイトなどで予約をする場合、クレジットカードがなくては予約ができません。

またレンタカーを借りる際には、運転者の年齢にも注意しておきましょう。
大手のレンタカー会社では、運転者が25歳以上であることが貸し出しの条件となっています。 ただし、保険料を上乗せすれば21歳以上に貸し出し可能になるところが多いようです。

友人などと交代で運転したい!という場合は、必ず事前に「Additional Driver(追加運転手)」の登録手続きをしておきましょう。これを怠って、登録されていない運転者が事故を起こした場合、少なくともレンタカー会社の保険は一切適用されません。交通事故の損害賠償金額については、事故にもよりますが、日本に帰国した後、さっそく自己破産手続きをしなければならなくなる場合もあるほどです。


パスポートなし、国際免許なしで「裁判所へ出頭」!?

レンタカーを運転する際、旅行者が携帯しておくべき書類は、①日本の運転免許証、②パスポート、③国際免許(国外運転免許証)です。厳密には、①と②は必ず携帯しておくべきものであり、③の国際免許(国外運転免許証)は携帯が強く推奨される、といった位置づけになります。
運転免許証はあくまでも日本のものが正式であることは前述したとおりですが、これには「入国後1年以内」という条件があります。つまり、日本の免許証で運転する場合、今回の入国日を証明する必要があります。そのため、パスポートに押されている米国入国スタンプを示す必要があるというわけなのです。

さて、本来ならここまでで法的な問題はクリアされていることになるのですが、実際は事情が違います。取り締まりなどの際、警察官が日本の運転免許証を正式なものとして認めるかどうかは全く別問題です。認めてくれなければ、いくら①と②が揃っていても「アウト」です。これは警察官が日本語の運転免許証を理解できないことが原因なのですが、これを論じたところでどうにもならないのが現実のアメリカ社会であり、ハワイ州なのです。現場の警察官が「無免許運転」と認定すれば、何が何でも無免許運転となります。呼び出し状が交付され、運転者本人もしくは代理人(弁護士)が裁判所に出頭しなければなりません。もう、ハワイ旅行どころではなくなってしまいます。

間違いがないのは、上記の①、②、③、の3点セットで運転することです。どうしても国際免許(国外運転免許証)が間に合わなかった場合などは、こちらの説明文書を印刷して携帯すると役に立つかもしれません。

裁判所への出頭命令を無視して日本に帰国すれば、場合によっては法廷侮辱罪になる可能性もあり、以後アメリカ合衆国への入国が制限されることも考えられます。


8歳未満の子供を車に乗せるのなら

8歳未満の子供を乗車させる場合、日本と違って注意しておかなければならないことがあります。
それはベビーシートやブースターシートを使用しなければならないということです。これに違反すると、初回の違反の場合で100ドル以下の罰金にくわえ、運転者教育局(Division of Driver Education)が実施する4時間以内の安全講習に参加しなければなりません。さらに数十ドルの各種基金への支払いも求められます。
チャイルドシート、ブースターシートいずれも、大手のレンタカー会社なら1日10ドルほどでレンタルできます。

それでは以下に、2007年1月改定2015年6月現在のハワイ州法(§291-11.5 Child passenger restraints.)、ハワイ州運輸局およびホノルル市郡警察のガイドラインに基づく子供の乗車に関するメモを示します。なお、このメモを読み取る前提として

  • 車に乗るときは全員(全席)シートベルト装着等の身体拘束(バックルアップ)が必要
  • 子供はより安全性が高い後部座席に乗せるべき
  • 子供の成長に応じて後方向きチャイルドシート、前方向きチャイルドシート、ブースターシートを使い分けなければならない
ということを理解しておいてください。また観光でレンタカーを利用する方には直接関係のないことがらには触れていません(緊急自動車や公共交通機関の特例など)。

「ブースターシート」とは基本的に座高を上げるためのもので、ある程度大きくなっている子供に使用します。子供の背が自動車のシートに直接持たれる格好になるもの(No-Back Booster)や、シートバック(背ずり)があるもの(High-Back Booster)、アームレストがあるものなどがあります。
ブースターシート使用時は(座高を稼げているので)大人用の3点式ベルトを使用しなければなりません。腰ベルトは子供の腰の低い位置に、肩ベルトは首や顔にかからないように装着させます。これらは決して子供の背中の後ろを通したり、腋の下を通したりしてはなりません。

4歳未満 合衆国の自動車安全基準に適合した製品を用いて適切に拘束されていること。つまりチャイルドシート(Child Safety Seat)を適切に使用しなければならないということです。
4歳以上8歳未満 合衆国の自動車安全基準に適合したチャイルドシート、またはブースターシート(Booster Seat)を用いて適切に拘束(バックル・アップ)されていること。

ただし車両に装備されているシートベルトを正しく装着でき、かつ
①子供の身長が4フィート9インチ(約145cm)を超えている
②腰ベルトしかない後部座席に体重40ポンド(約18Kg)超の子供が座る
のいずれかである場合は、この限りではない
後ろ向き
チャイルドシート
【Rear-Facing Seat】
新生児もふくめ少なくとも1歳になるまで、加えて体重20ポンド(約9Kg)になるまでは、後ろ向きのチャイルドシートを使用しなければならない。
ただし後ろ向きチャイルドシートは、その製品が認めている身長・体重まで、後部座席で利用されることが望ましい。
また、エアバッグのある助手席で、後ろ向きのチャイルドシートを使用してはならない。
コンバーチブル
チャイルドシート
【Convertible Seat】
取り付け方向を、前向き、後ろ向きのいずれにもできる製品。乳児用後ろ向き専用シートに比べ、長期間使用できるメリットがある。
前向き
チャイルドシート
【Forward-Facing Seat】
後ろ向きチャイルドシート製品の使用制限を超えて成長した子供や、1歳以上で体重20ポンド(約9Kg)以上の子供は、前向きのチャイルドシートを4歳になるまで使用しなければならない。
ブースターシート
への切り替えの
見きわめなど
子供が前かがみになることなく、背をシートバック(背ずり)にもたれかけた状態で、かつ膝(ひざ)が自動車のシートのふちを超えていない場合、年齢、体重、身長にかかわらず、ブースターシートを使用しなければならない。
腰ベルトしかないシート向けに、体重80ポンド(約36Kg)まで使用できるブースターシート製品も存在する。
助手席の使用 後ろ向きチャイルドシート(Rear-Facing seat)を、エアバッグのある助手席で使用してはならない。
参考資料 子供用シートの種類を写真で見てみる(PDF)

交通違反を問われるようなシーンにおいては、最終的な判断は現場の警察官によります。上記の内容を参考にしながら、お子様にとって最も安全な乗車方法をご検討ください。
なお、現場の警察官に異議を申し立てることは無意味であり、裁判所での異議申し立てをすることになります。また裁判所の場所や出頭日は希望に応じられることはなく、滞在日程的に裁判所に出頭できない場合も考えられます。この場合は法廷侮辱罪も追加され、その後のアメリカ合衆国入国に際し制限が設けられる可能性があります。

上部へ戻る