「ハワイでパソコン」の基本

ハワイでパソコンやインターネットを利用するには、大きく分けて二つの方法があります。自分のパソコンを持参していく方法と、現地にあるインターネットカフェやビジネスセンターのパソコンを利用する方法です。
自分のパソコンを持参していく場合は、現地でどうやってインターネットに接続するかや、パッキング(荷づくり)、電源確保、そのほか必要になる周辺機器や小物について知っておく必要があります。
また、現地のインターネットカフェやビジネスセンターを利用する場合は、お店の情報を把握しておくとともに、メール利用やデジカメ接続などに関する制約、テクニックを知っておく必要があります。

ここではまず、ハワイでパソコン(一部、携帯電話にも触れます)を利用することについて広く浅く、全体的に見ていくことにします。

【パソコンと PC(ピーシー)】
パソコンはご存じのとおり、パーソナル・コンピュータ。直訳すれば個人向けのコンピュータという意味です。ハワイも含め欧米では「PC(ピーシー)」と呼ぶことがほとんどです。そこで、ここからは「パソコン」ではなく、PC と呼ぶことにいたします。
つけ加えておきますと「PC」と呼んだ場合、厳密にはウィンドウズが動作しているコンピュータを指します。つまりマッキントッシュは PC とは別の物という捉え方です。現在ではある意味、ウィンドウズとマッキントッシュの壁はあまりなくなってきましたが、それでもこの2種類はそもそもの出発点のところで別物として進化し続けている、といってもいいでしょう。この「ハワイ、ガイドブックに載らない情報」ではウィンドウズを想定して解説していますが、そのほとんどはマッキントッシュでも変わりありません。


自分の PC を持参する

自分の PC を持って行くことのメリットは、なんといってもふだんの自分の環境で作業ができるということです。このことは、PC という道具を使うにあたって非常に大切なことで、とくにインターネットにアクセスしたときの使い勝手が大きく違ってきます。なぜなら、PC そのものに自分に関する情報や設定が記憶されていますし、その PC でインターネットにアクセスすれば、はじめから自分好みの設定で操作できたり、ウェブ・サイトによっては、自分のことをわかってくれている状態で始められるからです。

ただしデメリットもあります。
なんといっても荷物が増えることと、滞在中の盗難に気をつけねばならないことです。また、自分の PC に入っているたくさんの重要な情報を持ち歩くという意味では、自分や知人の個人情報、勤め先の情報を危険にさらすことにもなりかねません。

これらのメリットとデメリットを考え合わせ、まえもって必要な対策や準備、確認をしておく必要があります。また現地で困った時にどうするかといった部分についても、一定の知識は持っておいたほうが無難です。


現地の PC を利用する

現地にある PC を借りて作業をする場合は、まずどこに行けば PC が使えるのかということは当然として、日本とはちょっと違う事情についても知っておく必要があります。せっかく見つけたインターネットカフェでも、自分のやりたいことができなかったり、英語表示の画面で戸惑ってしまう場合などもあり得ます。日本で当然と考えられているものが、現地ではそうでない場合もあります。

しかし、わざわざ PC を持って行かずに用が足りるのであれば、こんな便利なことはありません。また自分の PC を持参して故障などした場合の非常対策としての価値もあります。


インターネットに接続するということ

PC を使うということはインターネットを利用すること、といってもいいでしょう。電子メールはもちろんホームページを見たり、人によっては勤務先のコンピュータなどにつないで仕事をすることもあります。現地のインターネットカフェなどを利用するのであれば、インターネット接続の方法に悩むことはありませんので、この問題は自分の PC を持参した時の知識ということになります。

手元の PC をインターネットに接続する方法は何種類かありますが、ハワイで旅行者が利用する接続方法としては、次のようなものが一般的です。

  • おもにホテルなどでサービスされている有線 LAN
  • おもにホテル、空港、カフェなどでサービスされている、公衆またはプライベートな無線 LAN
  • WiMAX(ワイマックス)
  • 3G 接続

■有線接続の LAN
ホテルなどでサービスされている有線 LAN は、接続のための設定もいちばん簡単といえます。接続品質やその安定性も高く、PC の設定が苦手な方にはイチオシの接続手段のひとつです。
リーズナブルなホテルであれば、宿泊者は無料の使い放題であることも多く、中級以上のホテルならたいてい有線 LAN を備えています。ただし高級ホテルであっても、無線 LAN だけをサービスしていて、有線 LAN はサービスしていないという場合もあります。

■無線 LAN
無線 LAN は日本でもかなり普及してきており、一般家庭でも利用されている方がたくさんいます。ハワイのホテルでも無線 LAN サービスを提供しているところがたくさんあります。ホテル自身でサービスをしているところもありますが、大手ホテルチェーンなどでは、「ワイヤレス・アクセス・プロバイダ」と呼ばれる専門業者に丸投げする形をとっており、ホテル側としては一切かかわらないといった形態も増えてきています。

無線 LAN のメリットは何といってもラナイ(ベランダ、バルコニーのこと)でも、プールサイドでもケーブルを引き回すことなくネット接続できることですが、やや設定の知識が必要ですし、そもそも型が古いなどの理由で、そのままでは無線 LAN を利用できない PC もあるので事前の確認が必要です。
さらに、無線で接続するということは、つねに盗聴の危険性と隣合わせでもあるということになります。これについては暗号化通信の技術でたいていは心配ないのですが、まったくそんなことを気にしていない経営者、ホテルなども、いまだに多く存在しますので注意が必要です(一般にアメリカ人は、日本人ほど情報セキュリティについて関心が高くありません)。

空港や大手ホテルチェーンで採用されている「公衆」無線 LAN は、はじめから不特定多数の人が安全に利用できるように設計されていますので、そういう意味では安心といえます。しかし「公衆」ではなく、ホテル宿泊者だけとか会員だけ、来店客のみといった範囲に限定して無線 LAN 接続をサービスしている場合(プライベートな無線 LAN)は、そのオーナーのセキュリティ意識や、投資金額によって安全性が大きく変わってきます。最悪の場合「ハニー・ポット」といって、情報収集のためにワザと無線 LAN サービスを提供したりする輩(やから)もいますので、無料の無線 LAN は十分気をつけた方がよいでしょう。

■WiMAX ( Pre-4G / 3G Evolution )
WiMAX(ワイマックス)は、いまもっとも先進的な接続方法といえるでしょう。そして初心者の方にもお勧めです。その方法は2つ。
ひとつめは、日本で WiMAX の契約をしていて、かつ WiMAX の通信機能を最初から内蔵したノート PC を持っていれば、ハワイでも現地の WiMAX 業者を利用できます。これは 2010 年夏から可能となったことで、日本の UQ WiMAX と米国 ClearWire 社(現在は Clear 社)の提携により、お互いのユーザが、相互に利用できる契約を結んだためです(くわしくはこちらをご覧ください)。
もう一つの手段は、WiMAX 端末をレンタルする方法です。据え置き型の端末の場合、ホテルの自室に設置して利用する形になります。WiMAX 端末を観光客にレンタルしてくれる業者は多くないのですが、初心者から上級者まで筆者イチオシの接続方法のひとつです。

■3G 接続
3G 接続とは、第三世代携帯電話の通信方式を利用する方法です。これも現地の業者で専用の通信端末(PCカード型やUSB接続型)をレンタルします。端末の大きさも USB メモリほどの大きさなので、PC に装着したまま持ち歩いて利用することができます。ただし、実質的な通信速度は WiMAX よりガクンと落ちますので、電子メール中心と考えておきましょう。だいたい日本で ADSL が始まったころの体感速度です。YouTube などの動画サイトなどはとても無理です。

【長期滞在などにおけるネット接続】
ハワイでも日本と同じく年間契約によって利用できる接続サービスがあります。つまりハワイの接続プロバイダと契約するわけです。日本では一般に光ファイバ、ADSL(電話線)、ケーブルテレビが主流ですが、ハワイで同じような品質(体感速度)を求めるなら、アクセスラインはケーブルテレビがお勧めです。Road Runner などの接続プロバイダがよく利用されています。


携帯電話の利用

PC と携帯電話は、その機能面で近づいてきています。日本でふだん使っている携帯電話をハワイへ持っていくだけでこと足りてしまう場合もあります。ただ、この分野はやや専門的な知識や制約などを知っておかないと、まったく使い物にならなかったり、あとになって驚くほどの請求をされてしまう場合があります。
また、現地で借りるレンタルケータイや日本で現地専用機をレンタルしていく方法にも、いくつもメリットがあります。

そもそも携帯電話は通信機能がメインの道具ですから、電話機(というか通信端末)そのものが PC に近いような機能・性能を持ってさえいれば、そのままインターネットにつながっている端末として利用できるという強みがあります。しかし、ここで大きな問題となるのは、基地局との通信方式です。
基本的には、日本とハワイ(海外)では携帯電話の通信方式は同じではありません。したがってこの部分をキチンと確認しておかないと、通信端末としてはまったく使い物にならないことになります。現在日本ではおもに、第3世代と呼ばれる通信方式、そして絶対数は少ないですが、第2世代通信方式、そして PHS 方式が存在します。

海外においてはいまのところ、第2世代方式のひとつである、GSM という方式が主流です。
ハワイにおいてもメインはやはり第2世代の GSM ですが、実感としては 2008 年ごろから第3世代の通信方式も「使える」ものとなってきています。
ただ GSM にしても第3世代にしても、さらに細かい種類が存在しますので、そのレベルまでピッタリ適合していないと通信ができません。ハワイでの携帯電話の通信事情は、下表のようになります。


■ハワイにおける携帯電話の通信方式(2010年初旬現在)
通信方式の世代 通信方式 留意点
第2世代 GSM 1900MHz帯を使用しているので、この周波数帯を利用できる電話機のみが使用可能。
第3世代 W-CDMA 日本ではNTT DoCoMoとSoftBankが採用しているが、だからといって両キャリアの第3世代携帯電話機のすべてがハワイで使えるわけではない。
CDMA2000 1x 日本ではau(KDDI)が採用しているが、だからといってau電話機のすべてがハワイで使えるわけではない。

■日本の主要キャリア別に見たハワイにおける対応(2010年初旬現在)
キャリア 対応状況
NTT ドコモ ドコモの国際ローミングサービス「WORLD WING」では、対応する端末を2種類に分けて考えることができる。すなわち「GSM+3G」両用機と「3G」専用機である。
ただし、GSM / 3G どちらの規格であっても、ハワイでの周波数に合致していないと使用できない。

GSM で通信するのであればほぼ間違いはないが、3G 専用機で通信したいのであればドコモがハワイで提携している現地キャリア、AT&T Mobility社(またはT-Mobile USA社)の 3G(W-CDMA) 周波数 850MHz に対応している必要がある。製品でいえば 906i 以降でかつ UMTS850MHz 対応機種ということになる。
ただし 3G エリアがすべての観光地にまで及んでいるわけではない。オアフ島の主要観光地だけなら問題なさそうだが、あまり日本人が行かないところや、オアフ島以外に渡るのであれば、GSM 方式の 1900MHz に対応できる端末のほうが無難だ。

 →WORLD WING
au (KDDI) 海外でも使用できる CDMA2000 1x 対応の機種を「グローバルパスポート CDMA」と呼んでいる。また GSM 規格対応の機種も同様に「グローバルパスポート GSM」と呼んでいる。
しかしハワイについては GSM 規格で提携するキャリアを持たないため、選択肢はグローバルパスポート CDMA のみとなる。

 →グローバルパスポート CDMA
SoftBank SoftBankでは、海外で利用できる端末やそのサービスのことを「世界対応ケータイ」と呼んでいる。そのうち GSM と 3G 両用機を「世界対応ケータイ」、3G 専用機を「世界対応ケータイ(3G エリア専用)」と呼んで区別している。
Cingular, AT&T, Dobson などと表示される 3G エリアでのみ 3G による通信が可能で、いまのところホノルル周辺に限られている。したがって、GSM 通信ができる端末を選択したほうが無難。

 →世界対応ケータイ

つまりドコモ、au、ソフトバンクユーザは、上記の規格にも適合する端末を持っていない限り、そのままハワイへ持参して使うということはできません。
また、日本の通信キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)の電話機を海外で使用すると、「国際ローミング」という取り扱いになり、ふだんとはまったく異なる料金体系が適用されます。ウッカリいつもの感覚で利用していると、帰国後に目の玉が飛び出るほどの高額な請求が届くことになります。
携帯電話の詳細については、さらに別のページで取り上げていきます。


ハワイでの PC ライフ、ネットライフ

このページの最後に、ハワイにおける PC ライフ、インターネット・ライフについて述べておきます。

ひとつめのポイントは、我々がふだん日本において、ほとんど意識せずに使用している通信ネットワークというものが、世界一といってもよいほどの技術と品質で支えられているということです。そのため、世界中どこへ行っても、日本と同じレベルのサービスレベルを求めること自体が無理であるという場合が少なくありません。

もうひとつは、PC ショップや携帯ショップ、その他いろんな施設などのスタッフの平均的な ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)に関する知識などのリテラシーは、日本のそれよりも低いということです。

したがって、目的が達成できれば手段やその品質にこだわらない、というような姿勢であればそれほど不満は残らないでしょうが、そうでなければやや不満が残る場合もあります。しかしこのあたりはお国柄、民族の思考形態の違いとも言えるかもしれません。

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