海外旅行用にスマートフォンの設定を変更する

このページでは、Android OS を基本ソフトウェアにしているスマートフォンを、海外旅行(特にハワイ)へ持っていこうとしているときに必要な知識を述べています。
基本的には、NTT ドコモで発売されている、LG Electronics Japan 社製の L-01D の画面ショットなどを使って説明しています。厳密には機器メーカーやそのモデル、また携帯電話会社(NTT ドコモ、au/KDDI、ソフトバンクモバイル等)などで若干の違いはありますが、Android OS を採用している端末であれば基本は同じです。
以下、従来型の携帯電話は「フィーチャーフォン」と記述します。また携帯電話会社は「通信キャリア」と記述します。また記述されている内容は 2012 年 8月現在のものです。

【通信や通話をしないスマホ?】

ごくまれに、通信や通話を一切しないけれど持っていく、という場合もあるかもしれません。このような場合でも、現地で電源を入れただけでスマートフォンが自動的に通信を始めてしまう場合がほとんどです。その場合、意図せず大量のパケット通信が行われ、結果として莫大な請求につながることがあります。このページの内容を読んでおかれることをおすすめします。

また、「通信はしないけれど緊急の電話だけは受けたい」ということもあるでしょう。この場合もいちおう、通話ができるかどうかの確認と(たいていOKですが)、かならず日本出発直前にパケット通信機能を切っておく必要があります。これは、現地で電源を入れた瞬間はもちろん、恒常的にさまざまな通信が発生して、ユーザが知らないうちに一定量のパケット通信を行ってしまうためです。

なおハワイで充電する際 AC 110V に対応するアダプタが必要ですが、ほとんどの場合、純正アダプタで対応が可能です。表示を確認しましょう。たいてい「入力:100-240V/~50/60Hz」といった表示がされているはずです。USB 経由での充電ができるものがほとんどですので、パソコンを持参されるような場合は利用できそうです。


注意するポイントは2点+2点

Android OS を採用しているスマートフォンを海外へ持っていく際に留意しておくことは、渡航前に2点、渡航後に2点と覚えておきましょう。

渡航前の留意点のひとつ目は、持ち出そうとしている端末が、現地(ハワイ)で使用できるかどうか、また使用できるとしても、高速通信が可能かどうかの確認です。つまり、機械装置としての能力や仕様を確認するということです。
二つ目は、携帯電話会社との契約が適切なものになっているかどうかの確認です。できれば一か月以上前に確認し、状況に応じて契約内容の変更を考えましょう。

つぎに実際に渡航した先で(または渡航直前に)行う設定が、2つの観点で存在します。
いずれもスマートフォンの操作によって行う設定ですが、まずは基本ソフトウェアである Android のレベルでの設定変更と、メールを扱うアプリなどの各アプリケーションレベルでの設定変更の両方が必要になります。


渡航前の確認(その1)ハードウェアレベルで対応しているか

スマートフォンという道具は、よく言われるように小さなパソコンと同じ構成の道具です。つまり、手に握っている無線機としての面と、その無線機のうえで動作するソフトウェア(コンピュータプログラム)という二つが作用しあうことによって、さまざまな機能を実現しています。
そもそも無線機というハードウェアのレベルで、渡航先の電波状況にあっているかどうか、あっていても高速な無線通信が可能かどうか、という確認が必要です。

NTT ドコモの場合、ハードウェアの仕様としての海外対応を、「クラス」という呼び方で分類しています。結論からいってしまえば、ハワイ渡航の場合「クラス4」に分類される機種がおすすめです。それでなければ、「クラス2」をおすすめします。
これは、ハワイで高速通信ができるかどうかという観点で考えています。ハワイでは 3G の電波は、850MHz の周波数で流れています。ドコモふうに言えば「FOMA と同等スピードの通信ができる電波は、850MHz でしか提供されていないのがハワイである」といえます。
そのため、3G/850MHz をキャッチできない Class3 端末では、第2世代(2G)の GSM 方式の電波しかキャッチすることができず、結果としてメールのやり取りが精いっぱいで、とてもスマートフォンとしては満足できない環境になってしまうのです。

■NTTドコモの「クラス」による海外対応分類
  3G 3G850 GSM  
Class 4(超おすすめ!)  
Class 3(メールが精一杯) × スマホがスマホでなくなる。
Class 2(おすすめ) × 観光ポイントによっては圏外に。
Class 1(完全にアウト) × ×  → レンタルケータイ手配へ 

筆者が使用しているスマートフォン「Optimus LTE L-01D」は Class 3 に分類されるものであったため、ハワイでは 3G による高速通信ができず、第2世代の GSM 方式におけるパケット通信、GPRS でしかネット接続できませんでした。そのためメール送受信が精いっぱいで、スマートフォンがまったく「スマート(賢い)」ではなくなってしまいました。

その他の通信キャリアも理屈は同じことです。
要は、現地で提携している通信キャリアの電波をキャッチできるのかどうかということを確認します。ハワイでは、Verizon Wireless 社や AT&T 社、T-Mobile 社などが携帯電話サービスを行っています。
2013 年 3 月現在、FOMA と同等スピードの通信サービスは、AT&T/Cingular 社が提供しているサービスエリアのみです。


渡航前の確認(その2)通信キャリアとの契約は適切なものか

日本の通信キャリアと契約している携帯電話やスマートフォンを、海外に持ち出したときにも利用できるようにするサービスは、「国際ローミングサービス」と呼ばれます。
これは、日本の通信キャリア(たとえば NTT ドコモ)が、現地の通信キャリア(たとえば AT&T)と提携することによって実現されています。平たく言うなら、その国の通信キャリアの設備を、日本の会社のお客に「使わせてやる」ということをやっているわけです。ここで、現地と日本の通信キャリア間で設備使用料のやり取りが発生します。
通常この使用料はユーザが負担することになっていますし、日本国内で契約している各種割引サービスも原則として適用されません。「海外でケータイ(フィーチャーフォン、スマートフォン)を使うと高額になる」といわれるゆえんです。

最近では日本の通信キャリアも、さまざまな割引サービスを提供し、ユーザの負担を軽減する工夫が行われています。その代表的なものが、「海外における」パケット通信料金を定額、またはほぼ定額にするサービスです。 「海外における」と強調したのは、日本国内におけるパケット定額のしくみとは、まったく別建てで決められていることが多いためです。国内でパケット定額や割引制度を利用していたとしても、はたして海外での利用はどうなるのか、じゅうぶん注意しておく必要があります。

日本の代表的な通信キャリア3社(ドコモ、au/KDDI、ソフトバンク)では、2012 年 8 月現在、海外におけるパケット通信に対する課金は、「一部従量制の2段階定額制」を採用しています。
これは、ある範囲であれば節約して利用することによって少しでも料金を抑えることができ、またたくさん通信してしまったとしても、上限額が設定されているため、莫大な金額になる心配がないというしくみです。
これはユーザにとってはありがたい仕組みですが、明示的にこの契約をしておく必要がありますので、「自分の契約では、『海外における』パケット通信定額制は適用されているのか」ということを必ず確認しておきましょう。これが契約されていないと、スマートフォンの場合シャレにならないほどの課金が発生し、「パケ死」と呼ばれる深刻な事態を招くこともあります。

3社とも上記の2段階定額の設定は、一日あたり 1,980 円の一段階目と、2,980 円の二段階目というところは同じです。そして仮にパケット通信の量がどれだけ大量であっても、通信速度を強制的に落とすような制限はかからず、2,980 円が上限になっています。

もうひとつ注意が必要なのは、「一日あたり」という部分です。
この一日は、あくまでも日本時間における一日ということですので、ハワイの場合、早朝5時が「一日」の分かれ目となります。したがって早朝5時をまたいで通信を行った場合、二日分という計算になりますので注意が必要です。

【パケ死】
大量のパケット通信をした人が、通信キャリアから高額な請求を受けて、自己破産なども含めた深刻な事態に陥ること。
パケット通信に対する課金にまだ定額制が存在しなかった時代、おもに若者がゲームなどの利用で「パケ死」することが相次ぎ、社会問題になりました。これを受けてパケット定額制が検討されるようになったわけですが、クラウドサービスに代表されるように、個人レベルの情報機器であっても、大量の情報を通信しなければならない今日の社会では、定額制は必要不可欠な仕組みと言っていいでしょう。
「パケ死」は、いまでは懐かしい感じすらする言葉です。しかし、「パケ死」する可能性はゼロではありません。とくに設定が複雑なスマートフォンでは、「パケ死」や「準パケ死」が出てきてもおかしくない気がします。


渡航後(または出発直前)の設定(その1)Android OS レベルの設定

【ご注意】
以下の設定変更の「練習」を日本国内で行った場合、元に戻すことができないと、日本国内での通話や通信ができなくなってしまうことがあります。自信がない方は各通信キャリアのショップや、詳しい方などにすぐ尋ねられるような状況で「練習」してください。

さて、今度は自分のスマートフォンでの設定です。
海外でのパケット料金が上述のような、従量制や段階定額制の場合、こまめに設定を切り替えることによって、少しでも料金を節約することが可能です。つまり、メールチェックなどをするときだけ設定を ON にして利用し、済んだら OFF にしてしまう、というワザが利用できるのです。
ここでは、Android のバージョンは、2.3.5 を使って説明しています。まずは Android OS の設定画面を開きましょう。左図のような画面です。多くの場合、ホーム画面の状態で、スマートフォンの左下隅にあるボタンを押すと、設定画面に進むための小さな画面が表示されるはずです。

設定画面の中は「階層構造」といって、あるひとつの設定を開くと、さらに複数の選択肢があり、そのどれかを開くとまた複数の選択肢がある、といった形に整理されています。上記設定画面を起点として、設定の確認や変更をする部分を、系統図的に説明すると以下のようになります。

設定画面のトップには、「通話設定」や「音」「表示」などが並んでいますが、そのうちポイントとなるのは「無線とネットワーク」、そして「アカウントと同期」のふたつです。そして、それぞれ下の階層に入っていって設定を確認、変更しなければなりません。

【データ通信を有効にする】
「モバイルネットワーク」は、キャリア(携帯電話会社)の無線ネットワークに関する設定を決めるセクションです。「データ通信を有効にする」を ON にしていれば、キャリアのネットワークを経由して、インターネットに接続ができるようになります。通常は ON になっていますが、海外でこれを OFF にしておけば、少なくともキャリアを経由したデータ通信を行わなくなりますので、パケット料金が発生しません。
ただしキャリア(携帯電話会社)を経由しない通信(Wi-Fi 経由や WiMAX 経由)まで、ここで止めることはできません。

【データローミング】
契約しているキャリアとは異なるキャリアのネットワークを利用して、データサービスを利用する場合には ON にしておきます。海外でメールなどをするのであれば ON にする必要がありますが、出かける国や地域によっては莫大な金額になってしまう場合があるため、日本帰国後は忘れずに OFF にしておくことが大切です。

【ネットワークモード】
携帯電話の電波の種類(世代)を選択します。通常は「自動」のままでかまいません。ただし、3G の電波がつかみにくい地域で、3G と GSM を行ったり来たりしてしまうような場合は、第2世代通信方式の「GSM」に固定しておくと安定することがあります。ただしこの場合、通話はまず問題ありませんが、通信については、メールの取り扱いが精いっぱいといったレベルの通信速度になります。

【通信事業者】
NTT ドコモユーザの場合、2012 年 8 月以降、ハワイ旅行の際は「自動」で OK です。
この設定は、どのキャリアの電波を使用するかを決めるものです。「自動」にしておいて困ることがあるのは、パケット定額制などの割引対象とならない現地キャリアに接続されてしまって、莫大な通信料金が課金されてしまうことです。
渡航先で携帯電話サービスを提供しているキャリアのうち、特定のキャリアだけしか割引にならない場合、現地キャリアを検索して、必ずそのキャリアにつながるよう固定しておかなければなりません。

【バックグララウンドデータ】
これは ON でなければ、スマートフォンの意味がないといってもいいでしょう。
ただし、少しでもパケット通信を抑えるなら OFF にします。

【自動同期/(各種のアカウント管理)】
SP モードメールや G-mail などのメールアプリ、パソコンなどとも共用できるスケジュールアプリ、ツイッターなどのソーシャル系アプリなどは、 この自動同期を ON にしていないと意味がありません。ただし、これを OFF にすることによって、アプリが一定時間ごとに同期情報を通信してしまうことを防ぐことができます。もちろん OFF にすると、SP モードメールをリアルタイムにキャッチすることができません。
アプリごと(アカウントごと)に同期する、しないを設定したい場合は、各種のアカウントごとに設定します。


渡航後(または出発直前)の設定(その2)アプリレベルの設定

ここでは Android という基本ソフトウェア(OS)の上で動作する、各種「アプリ」の設定について触れます。
結論から言ってしまえば、「それぞれのアプリの仕様による」ということになります。それぞれのアプリの設定を行うには、まずそのアプリを起動し、そのアプリの中で提供されている「設定」や「詳細設定」を確認します。なかには通信の設定を変更できないアプリもあるかもしれませんが、理論上は、Andoroid レベルで通信を切っておけば、アプリが独自に(Android に無断で)通信をすることはないはずです。
ここでは NTT ドコモのスマートフォン向けインターネット接続サービス「SP モード」で利用するメール・アプリ「SP モードメール」での設定を見ていきたいと思います。

SP モードメール(というアプリ)を起動し、最初のメニュー画面から「メール設定」を選択します。つづいて「受信」を選択します。ここで現れた画面が、「SP モードメールの」受信設定を行うところです。このうち「海外設定」のカテゴリがポイントです。

【海外メール自動受信】
海外にいる時でも、SP モードメールがセンターに届くと、手元の端末まですぐに受信できるようになります。通常は ON ですが、必要度の低いメールも含めてすべて受信してしまい、その都度パケット使用量がかさんでいきます。少しでも節約する場合は、ここを OFF にしておき、意図的に「メールチェック」するようにします。

【海外受信確認ダイアログ】
海外渡航時に SP モードメールが センターに届いた際、そのメールを受信するかどうかについて通知されます。上記の「海外メール自動受信」を OFF にしているときでも、大事なメールだけはすぐ読みたいという場合に ON にしておくといいでしょう。

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