花ぷら

花ぷら番外編(2011/9)

「花ぷら」とは、もともと「花馬 米(はなうま・べい)のハワイぶらり一人旅」と呼んでいた、筆者の一人旅の様子をご紹介する旅行記です。
しかし、そうはいっても一人旅ではないこともありました。そして今回は、ハワイではなくアメリカ本土東海岸をめぐる旅行記なのであります。ハワイではありませんので、「番外編」としてご紹介させていただくことにしました。

今回の旅行は、84 歳になる母との二人旅です。会話がややスムーズにいかなくなってきている母としては、何か思い出に残る旅がしたいということと、脚の方も弱くなってきていることもあり、いろいろ考えた挙句、ナイアガラの滝を見に行こうということになった次第です。

2011年9月4日、日曜日。
ハワイへ行く時なら、日本の空港を出発するのは、たいてい夜遅めになる。しかし今回は、アメリカ東海岸のジョン・F・ケネディ空港へのフライトである。便は、成田空港を午後3時15分に発つ、デルタ航空である。
本当は、母のためにも日系の航空会社にしたかったのだが、申し込み時(7月初旬だ)にはもう、デルタ航空しか選択の余地がなかった。
機内持ち込み手荷物のパッキングでは、母が使う「アンメルツ」や目薬などを、ローソンで氷を買った時にとっておいた、透明の袋に入れる。液体類やクリーム類は原則として機内持ち込み禁止だが、ルールを守って少量を持ち込むことは可能だ。
 → 液体物の持ち込みについて(国際線) 


成田エクスプレスを、終点の「成田空港駅」で降りる。旅客ターミナルが第1、第2、と2か所ある成田空港では、鉄道駅もそれぞれ異なるので、間違って一つ手前の「空港第2ビル駅」で降りてしまうと、我々の場合ちょっとやっかいである。
第1ターミナルビルは、空から見るとだいたいV(ブイ)の字になった建物で、両翼のように広がっている棟を、それぞれ北ウィングとか、南ウィングと呼んでいる。両ウィングを結ぶところとなる棟は中央ビルといって、レストランや土産物屋、銀行や各種のショップが並んでいる。

ANA で行くのであれば、南ウィングへ向かうことになるが、デルタ航空は北ウィングである。いまはガランとして静かな、ちょっとばかり薄暗く感じる空間である。
この北ウィングの端にある、ANA スカイポーターの窓口へ進む。じつは旅行代理店のほうで、荷物の宅配サービスをセットしてもらっており、一昨日、福山通運の人が拙宅にスーツケースなどを取りに来てくれていたのだ。
「フライトはデルタだが、宅配サービスは ANA 系か」
そんなことを考えながら行くと、すでに私のスーツケースと、母用のキャリィバッグが準備されている。それにしても、スーツケースなどの荷物を宅配で頼んでおくと、あたりまえだが、ものすごく楽チンである。スーツケースを駅や列車の中で取り回すのは、体も疲れるが、周りの人々に気を使ったりして気疲れもする。


母は機内持ち込み手荷物として、いつも使っているクリーム色の小さなリュックを担いできている。その少し切れそうになっている、肩掛けベルトと本体をつなぐ部分が、白糸で繕(つくろ)ってある。金額的にたいして高くないリュックだが、母の年代では繕って使うのが、ごく当たり前のことなのだなと、あらためて考える。私の世代では、自分を取り繕うようなことはあっても、安物を繕って利用し続けることはあるだろうか。

デルタ航空のチェックインカウンターへ進む。いましがた受け取った私のスーツケースと母のキャリィバッグを、チェックイン・バゲージ、すなわち空港預け荷物として、重量を計測して預ける。
ここで私は、クレームを言わねばならないと考えていた。というのは昨夜、自宅でパソコンからウェブ・チェックインをしたのだが、二つ問題点があったのだ。
じつは今回、ビジネスクラスの利用をしているのだが、ウェブチェックインの際、ラウンジ(飲食サービスなどが整った特別待合室)へ入れる権利をオプションとして「別購入」してしまったのである。
ふつう、ビジネスクラス利用であれば、ラウンジを利用できる権利はついている。しかし、デルタ航空のウェブ・チェックインでは、いわば「この際お安く購入できるオプション(選択肢)」として表示されていたのである。しかもこれが、ビジネスクラスのデータを入力した後のステップで表示されるのだ。

ここは私の勘違いといわれるかもしれないが、「米系キャリアでは、ビジネスクラスであっても、ラウンジ利用はオプション購入することに変わったのかぁ」と思ってしまったのだ。当日空港で申し出るよりかなり安いようだったので、クレジットカードで決済してしまったのである。
しかも、さんざんいろいろなフライトデータを入力し、画面遷移をしたあと、最終的にエラー画面となって、チェックインを完了できないのである。ウェブ・ブラウザを変えてみたりして3回ほどやってみたが、すべてダメだった。
しかしそれでも、入力ステップ途中の「ラウンジ入場料」の購入だけは完了してしまっているのである。


チェックインカウンタでその旨を話すと、やはりラウンジ利用に追加料金は必要ないという。それで、カード決済が済んでしまっている分をどうしようかということになったが、「リファウンド(払い戻し)はできない」とのこと。バカげた話である。
カード決済の仕組みとしては、同額のマイナス売り上げを立てればよいだけだと思うのだが、それができないとのこと。では仕方がないので、何か別のサービスを付けるなどの代替案を出してほしいと話してみるが、チェックイン・カウンタの女性は、経理に相談し回答するとのこと。

問題を整理すると、デルタ航空のオンライン・チェックインのシステムに不具合があると思われること。そして、これが原因で不要なサービスを購入してしまったことに対する埋め合わせ対応の2点だ。
ウェブの不具合に関しては、ウェブチェックインという本来の機能を果たせていないという問題もある。
セキュリティ・チェックを抜け、出国手続きを通過してラウンジでひと休みしていると、呼び出しが入った。カード決済した分については、カードのほうに返金する。そしてウェブの問題についてはウェブサイトのほうから投稿してほしいとのことだ。

航空会社のウェブサイトはいろいろあるが、私の知っている範囲では、やはり ANA のウェブサイトがもっとも優れている。画面のデザイン、ページ遷移、関連するサービスへのリンクとデータ連携、レスポンスのよさ、座席を選択する際の 3D 的な見せ方の Flash アニメーションなど、ユーザ・インターフェイスが全体的に非常に心地よい。また、バックグラウンドで動いているデータベースの設計も、「気合が入っている」感じがする。
そしてこれらが、パソコンに限らず、携帯電話など他のデバイスでも透過的に利用でき、おさいふケータイや、ANA マイレージクラブカードなどの仕組みと連携し、まさにワン・ストップな感覚で「お客様」として扱われている感じを受ける。
申し訳ないが、米系のウェブサイトやバックエンドシステムとは比較にならない。こんな一般人向けソフトウェアの作り込みにも、日本の技術者魂というか、こまやかな職人芸みたいなものをひしひしと感じる。

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