花ぷら

花ぷら12(2010/8)

「花ぷら」とは、もともと「花馬 米(はなうま・べい)のハワイぶらり一人旅」と呼んでいた、筆者の一人旅の様子をご紹介する旅行記です。略して「花ぶら(hanaBura)」。それが「花ぷら(hanaPura)」となりました。今回は、筆者の同僚とその家族を観光案内しつつ、4泊6日を過ごす旅となりました。
これまでは、厳密に一人旅でない場合はタイトルに小数点をつけていたのですが、まぁなんだかあまり意味はないし、面倒にもなってきましたので、今回はあっさり「花ぷら12」であります。

拙サイトをお読みいただいている方はご存知の通り、筆者は現在、派遣社員として顧客企業に勤務しています。今回は同じ派遣元の同僚、といっても一緒に働いたことは一度もないのですが、その彼と奥さん、そして今春小学校に入学した娘さんとの4人旅、という形になっています。
同僚の彼はU氏としておきます。彼は奥さんとともに「ヒルトン・バケーションズ・クラブ」の説明会に出向き、あのヒルトン・ハワイアン・ヴィレッジのタイムシェア物件を購入した人物です。私もタイムシェアには関心がありながら、なかなかその実態を探ることができず(もちろん購入などできるはずもなく)、やや歯がゆく思っていたのでした。

そんなおり、派遣元の飲み会でU氏と話が盛り上がり、U氏のタイムシェア物件に泊めさせていただくのと交換条件?に、U氏ファミリーを現地でご案内するということになったのでした。

2010年8月1日。きょうは日曜日である。
派遣社員としての私の夏季休暇は、実際に勤務している顧客企業に合わせてとることになる。今回は7月31日(土)から始まって、8月8日(日)までの9連休が夏季休暇となる。
今年の初め、派遣元の飲み会で話が盛り上がったU氏ファミリーと、ほぼ旅程を合せるようにして、今回のハワイ旅行を計画した。いやしかし、典型的な高価格時期のハワイ旅行である。思えばトラック運転手をしていたころが懐かしい。休暇は交代の運転手と話をつければ、比較的自由に組めたからだ。4月の第一週という、年間を通じて底値となる時期にも、ハワイに行ったりしたことがあった。


東海道新幹線を品川駅で降り、成田空港へ向かう JR の特急、成田エクスプレスに乗り換える。つい先日デビューした、京成電鉄の新型スカイライナーも大変魅力的なのだが、私のアクセスルートとしては乗り換えが不便である。それにこの夏休みの時期、子ども連れのお客さんで混雑が激しいのではないかという読みもあった。
京成電鉄の、この新型スカイライナーは、単に新しい車体がデビューしたというだけではない。成田空港へアクセスするための新線、つまり新たに建設した路線を走るのである。それもなんと日本の在来線としては最速の 160Km/h を出すというのだから、すごい。

それに対抗してか JR の方も、すでに成田空港アクセス特急「成田エクスプレス」を、昨秋から順次新型に変え始めている。もちろん車体の外観や内装がよりよくなっているのだが、私が一番関心を持つのは、英語と同程度の情報量で、中国語とハングルの表記や放送が行われていることだ。これは、日本国内に急激に中国人観光客などが入ってきていることの、何よりの証拠といえるだろう。
そういえば、箱根あたりの観光地、とくに富士山の眺めがよい地域は、中国人観光客であふれかえっており、土産店や食堂なども「中国人観光客さまさま」といった状態なのだそうだ。これも、「大中華圏(Greater China)」の片鱗といえるのだろうか。

そういえば、天井に取り付けられたこの液晶案内装置が提供する情報は、ちょっと興味深い仕組みで表示されている。画面に表示されている情報は、じつは地上のコンテンツサーバに存在しており、WiMAX(ワイマックス)とよばれる電波によって列車へ届けられ、この表示装置へ送られてくる。データ量の大きい動画ですらこのしくみで送られてくるのだ。かつての 3G 電波(FOMA などの第3世代携帯電話が使用している電波通信方式)ではほとんどできないことだった。リアルタイムなフライト情報も表示されるなど、WiMAX の採用によって、大容量・スピーディ・柔軟なコンテンツの供給が可能となっている。

【大中華圏(だいちゅうかけん)】
英語ではグレーターチャイナという。中国の勢いはいまや言わずと知れたことであるが、じつは中国という一つの国だけを見ていても、現実に起きていることを正確にとらえることはできない。中国、台湾、香港、シンガポール(人口の8割近くが中華系で華僑国家とも呼ばれている)という4つの国を合せて、一つの大きな経済産業圏としてとらえる考え方である。

そもそも日本は、貿易で成り立っているといっても過言でない国だが、その貿易相手国ナンバーワンは、戦後50年以上アメリカであった。しかし 2007年の統計で、ついに対米貿易比重が 16.1% まで落ち、中国が 17.7% とナンバーワンに躍り出たのである(暦年統計)。この3年ほど前には、中国と香港を合わせた数字で、すでに米国のそれを超えてはいたのだが、この年、中国本土単体で日米の輸出入合計額を超えたのである。

このような状況の中、中国本土とその他の3国は、連携を強くしてきた。国は違えども経済産業面においては、お互いに世界飛躍へのパートナーとしてスクラムを組んでいるということである。日本から見れば、アメリカよりもアジアを意識しながら、今後の経済産業を考えていく必要があるといえる。

成田エクスプレスの車内では、以前から公衆無線 LAN の実験が行われていたが、最近ではモバイル WiMAX を展開している UQ WiMAX が、そのユーザに対して高速移動中の車内でもインターネットへアクセスできるよう、「UQ Wi-Fi」と呼ぶサービスを提供している。さきほど液晶案内装置で出てきた WiMAX 技術が深く関係している。
この「UQ Wi-Fi」とは、UQ WiMAX のユーザであれば無線 LAN の技術を使用して、ネットへアクセスできるというものだ。いいかえるならば、本業の技術である WiMAX ではカバーしきれないところを、Wi-Fi に変えて補っている、ということになるだろうか。
この列車の場合、走行する列車の車上アンテナまでは WiMAX 通信を行い、車載されたレピータと呼ばれる装置で Wi-Fi の電波に変えて車内に「吹く」という仕掛けである。ただし今後、WiMAX の電波を車内に届けられるようにするレピータ(WiMAX to WiMAX)の搭載も視野に入っているようだ。モバイル WiMAX はまだ、3G などと比べればエリアこそ狭いが、首都圏と地方都市では十分利用価値がある。そしてなによりもその通信速度が注目される技術であり、今後に期待が持てそうである。
窓の外を、総武線の各駅停車の電車が追い抜いていく。

【WORLD WiMAX】

UQ WiMAX は米国 Clearwire 社と提携し、2010年9月1日からそれぞれの WiMAX ユーザが、相互に WiMAX サービスを利用できるようにした。これは、日本で UQ WiMAX(またはその MVNO)に加入しているユーザは、ハワイへ行っても WiMAX を利用して、ホテルの部屋やビーチなどの屋外で、ワイヤレスブロードバンドにアクセスできるということを意味する。これはかなりスゴいことだ。
ただし注意点がいくつかある。
まず WiMAX の通信モジュールが、インテル社製の「WiMAX/WiFi Link 5150」または「Centrino Advanced-N + WiMAX 6250」であることだ。要するに「WiMAX 通信機能をもともと搭載したパソコン」ということになり、USB 接続のものや、WiMAX to Wi-Fi ルータなどは使用できない。新品の WiMAX 通信機能内蔵パソコンを持っていたり、これから買おうという人は、カタログなどでモジュールの型番を確認するといい。
また今回の提携は、国際ローミングというより両社の相互利用契約となる(英語では Roaming Collaboration とされているようだ)。両社のユーザは、相手の事業者が提供する特定の契約コースを利用できるようにしている、ということだ。
新しく始まったこのサービス。2011年3月いっぱい無料で利用できる。これからハワイ(米国)へ出かける予定があるのなら、考えてみるのもいい。

→ UQ WiMAX 「WORLD WiMAX」


空港第2ビル駅で降りる。終点の成田空港駅のひとつ手前の駅である。
エスカレータを上がったあとは、JR の改札を抜け、続けて京成電鉄の改札を通過する。ちょっとややこしいが、これは「成田空港という施設に入るためのセキュリティチェックポイント」が、駅の構造上1か所にしかなく、そこへ JR で到着した客と京成で到着した客を通さなければならないためである。ここのセキュリティチェックポイントは、飛行機に乗る前の厳密なものとは違い、ほとんどの場合パスポート提示のみである。

地下2階のホームで電車の写真を撮ってから、地下1階に上がったせいか、パスポートを見せるところでは利用客は私一人しかおらず、大混雑を予想していたのになんだか拍子抜けした感じだ。
まっすぐ進むと、もう見慣れた小さな喫茶店とそば屋が並んである。両方とも「禁煙」の張り紙がしてある。ようやくここも禁煙になったか。

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