花ぷら

花ぷら11(2009/8)

「花ぷら」とは、もともと「花馬 米(はなうま・べい)のハワイぶらり一人旅」と呼んでいた、筆者の一人旅の様子をご紹介する旅行記です。略して「花ぶら(hanaBura)」。それが「花ぷら(hanaPura)」となりました。べつに女性下着メーカからクレームが入ったわけではありません。
ときどきタイトルに小数点が付いているのは、一人旅ではなく連れがいるときの旅行記だからです。ならば、今回は「花ぷら10.75か!」などと悩んでおりましたが、あっさり「花ぷら11」といたしました。

今回は7泊9日の旅の前半を、高校時代の先輩と過ごし、後半を一人でぶらぶらしておりました。
高校時代というのは、昭和50年代後半の地方の工業高校です。特に男子校というわけではないのですが、女子は全体の5%もいませんでした。そしてその高校の吹奏楽部は、マーチングバンドもやる、ちょっと軍隊式の部活で、そりゃぁもう今なら暴力事件で問題になるようなこともありました。そんな部活の1年先輩であるH氏とは、いまでは良き飲み友達となっています。ちなみにH氏は、まったく暴力的ではなかったタイプの先輩であります。

2009年8月1日土曜日。
きょうから9連休に入る。派遣社員である私は、派遣先のスケジュールに合わせて休むことになっている。前後の土日をフルに利用し、今回のハワイ旅行を企てた。しかし、なんといってもこの時期、航空運賃は高い。

この旅の出発1週間ほど前、思いついてH氏に電話し、一緒に行かないかと誘った。
突然のことだったが、ちょっと考えてすぐ OK ということになった。しかし、私はすでに往復航空券とホテルの手配が完了している。そこで、言いだしっぺの私がエイチ・アイ・エスに電話し、もっとも安いツアーを頼んでみるが、すでに飛行機の座席自体がない、という回答だ。
それでも何度か電話し、ノースウェスト航空指定の3泊5日というのを1席とれたので、我々は旅の前半をともに過ごそうということにしたのだった。

H氏とは、JR 上野駅のすぐそばにある京成上野駅で待ち合わせることにした。 ここからならスカイライナーを利用して、1,920円で成田空港まで乗り換えなしだ。
H氏は米ドルを買う時間がなかったということで、スカイライナーの車中で、私が持っていた米ドルを「売買」する。私は、勤務先そばの銀行に外貨取扱窓口があったので、少し多めに買っておいたのだ。それにしても銀行の外貨取扱窓口は、パチンコの両替所と空気は変わらない。


成田空港の第1ターミナルビルに近い鉄道駅は、終点の「成田空港」駅である。ひとつ手前が第2ターミナルビルに近い「空港第2ビル」駅だ。私が乗る ANA も、H氏が乗るノースウェストも、ともに第1ターミナルビルなので都合がよい。
まずは、私より1時間ほど早く旅立つH氏のチェックインだ。私は椅子に腰かけて、のんびり荷物を入れ替えたりしていたが、すぐにH氏が戻ってくる。あらかじめ自宅でウェブ・チェックインをしていたので、機械を使ってすぐに手続きできたとのこと。いやはや、パソコンが苦手なH氏も成長したなぁ、などと感心してしまった。そういえば、ESTA (えすた)の手続きも、パソコン関係の仕事で食っている私よりも先に、H氏は済ませていたのだ。
それにしても最近のボーディングパス(搭乗券)は、薄っぺらい感熱記録紙で、ありがたみがないなぁ。
その後、二人で ANA のカウンタへ行き、私のチェックインをする。スーツケースを預け身軽になる。

さて、一杯いくか。
言葉を交わさずとも、そのようなリズム感が我々の間で同期する。
H氏が持ってきたエイチ・アイ・エスの、ビール無料サービス券が使えるレストランへ直行である。軽く飲み食いして気分も良くなってきたが、ここは飲み屋ではないのでやや落ち着かない。ビール専門の店で飲みなおそうと、北ウィングの端まで歩いてきたが、時計を見るとそれどころではない。
あわてて、現地での待ち合わせ場所を JCB プラザに決め、H氏は手荷物検査場のゲートをあたふたと抜けていった。

【ESTA (Electronic System for Travel Authorization)】

電子渡航認証システムと訳される。アメリカにビザなしで渡航する時のしくみ Visa Weaver Program の一部で、短期商用や90日以下の観光旅行をする場合、航空機や船に搭乗する前に、オンラインで渡航認証を受けなければならない。2009年1月12日からの国土安全保障省(DHS)の措置。「えすた」と読む。

昔の、運転免許更新時の「代書屋」とおなじで、その簡単な手続きを代行する者も存在する。ウェブ上で代行サービスを行う業者にいたっては、いったい何をサービスしているのかよくわからない。一件あたり数千円の手数料を取りながら暗号化送信にも対応しておらず、あまつさえ Google などに平然と広告を出していたりする。ウェブサイトのデザインはもっともらしいが、運営者の情報が非常に不透明であったりするので、じゅうぶん注意されたい。
在日米国大使館のウェブサイトでも注意をうながしている。

在日本米国大使館の ESTA に関するページ 
  ドメイン名(URL の一部)が、アメリカ国土安全保障省を示す、dhs.gov となっていることを確認しよう。
  DHS は Department of Homeland Security の略称である。


私のほうは、20:35ころに搭乗開始となる。
やはり子連れが多い。新婚さんもいるし、足の不自由なおばあちゃんを連れた家族もいる。お父さんは一生懸命にムービーカメラを回している。そんな光景が、ちょっと懐かしいような気もする。

今回搭乗する便は、NQ 1052 便。エアージャパンという、ANA の運航子会社の便である。
しかしなんとこの便には、異なる4つものフライトナンバーが割り当てられているのだ。コードシェア便というやつだ。この NQ 1052 便は、ユナイテッド航空の UA9680 便であり、アシアナ航空 OZ9152 便であり、もちろん全日空 NH1052 便でもあるのだ。

それにしても日本からホノルルへの定期旅客便は、ここ10年ほどで減ってしまった。地方空港発はもちろんのこと、成田発すら減便になってきている。米国同時多発テロ、その報復攻撃、原油高、SARS、世界同時不況、そして新型インフルエンザも影響がないわけではなかろう。航空会社も旅行代理店も、あるいは現地の観光業者たちも、儲からないどころか倒産さえめずらしくない。以前のように活気が出てくるのはいつのことだろうか。
それでもエアージャパンの CA は、「夏の繁忙期は2往復運航してるんですよ」と、ちょっぴり胸を張るように話してくれた。

さて、毎回ホノルル空港に着くまでが長いこの「花ぷら」。今回はスッパリ現地へ飛ぼう。

【CA = Cabin Attendant / キャビン・アテンダント】
客室乗務員のこと。昔でいうスチュワーデス(女性)やスチュワード(男性)。乗客からみると、配膳や免税品の販売がメインの仕事のように思えるかもしれないが、そのまえに保安要員なのである。つねに緊急事態を想定した訓練や確認をしているのだ。
ノースウェスト航空では FA (Flight Attendant)と呼ぶ。また同社では、日本とホノルルを結ぶ便に IFSR (In Flight Service Representative)と呼ぶ日本人が乗り込む。FA ではなく、日本人搭乗客のサポートが仕事だ。


飛行機は、ホノルル空港の8L滑走路に着陸した。
「8」とは、8本目の滑走路ということではない。方位80°の方向へ向かって延びる滑走路という意味で、真北が0だから、だいたい東よりちょっと東北東に向いている滑走路ということになる。この同じ滑走路を逆から着陸、あるいは離陸する場合は、180°反対になるので26番と呼ばれる。
番号のつぎにある R や L というのは、平行した滑走路がほかにある場合に付される。つまり、いま着陸した8L滑走路の右側に、もう一本8R滑走路が存在するのだ。巨大な空港では平行する滑走路が3本ある場合があり、真中はセンターの C が付される。

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